カカクコム買収交渉、筆頭株主がLINEヤフー案を拒否し資産査定が焦点
カカクコムを巡る買収交渉は、EQTによるTOBが進む一方で、対抗するLINEヤフー陣営がなお法的拘束力のある提案を示せず、膠着状態が続いている。筆頭株主のデジタルガレージが6月5日にLINEヤフー案への不支持を表明し、今後はカカクコム側が資産査定を受け入れるかが競争入札に発展するかどうかの分岐点になっている。
ハイライト
- デジタルガレージとKDDIが約38%を保有しEQT案支持を表明、LINEヤフー側の買収提案を筆頭株主が拒否、今後のデューデリジェンス許可が焦点。
- EQTによるカカクコムTOBは1株3000円で進行中、6月5日時点のカカクコム終値は3336円とTOB価格を1割超上回る水準。
- カカクコム取締役会がLINEヤフーによる資産査定を認めなければ株主からの批判やLINEヤフー撤退リスク、条件見直し圧力が高まる可能性。
筆頭株主の判断と対抗提案の現状
日経が報じた内容によると、デジタルガレージは6月5日、LINEヤフー側の買収提案に応じない方針を明らかにした。資金調達や許認可取得の不透明さを理由に、提案の実現可能性は低いとの見方を示し、関係当事者との合意形成がないまま公表された点も問題視している。
カカクコムを巡っては、欧州ファンドのEQTが5月中旬に約5900億円規模での買収を発表し、1株3000円でTOBを開始している。カカクコムはこの提案に賛同し、株主に応募を推奨している。
これに対し、LINEヤフーはBain Capitalと共同で対抗提案を公表し、想定TOB価格を1株3232円としている。ただ、現時点では法的拘束力のある提案には至っておらず、価格もEQT案を参考に試算した段階にとどまる。5月末時点でデジタルガレージとKDDIはカカクコム株の約38%を保有しており、両社がEQT案を支持していることは、LINEヤフー陣営にとって重い制約となる。
株価動向と資産査定の行方
EQTがTOBを進め、大株主の支持も確保して先行する一方、市場ではなお対抗提案への期待が残っている。カカクコム株の6月5日終値は3336円と、EQTのTOB価格3000円を1割超上回っており、追加提案や条件見直しの思惑が株価に反映されている。今後の最大の焦点は、LINEヤフーが求める資産査定をカカクコム側が認めるかどうかだ。LINEヤフーはデューデリジェンスを経て正式な買い付け価格を算定し、法的拘束力のある提案を行う構えを示している。
カカクコムの取締役会や特別委員会が資産査定を認めなければ、株主から買収提案を十分に検討していないと批判される可能性がある。一方で、資産査定が拒否された場合、LINEヤフーは撤退するか、同意なき買収に踏み切るかの判断を迫られる。カカクコムは、期間内に第三者が2%以上高い価格でTOBを開始するか、法的拘束力のある提案が公表された場合、EQTに買い付け価格の変更協議を申し入れられるとしている。
経済産業省はM&Aの議論で、価格の高さだけでは望ましい買収とは言えず、企業価値向上への貢献が前提になるとの考え方を示している。香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントも4月までに保有比率を19.52%まで高めており、今後の株主対応や応募状況次第では、EQT陣営にも条件再考の圧力が強まる可能性がある。
当社の以前の記事では、カカクコムの買収協議を巡り、大株主のデジタルガレージがLINEヤフーの提案は実現可能性が低いとして受け入れない方針を固め、EQTの買収案を支持している状況を整理しました。EQTの1株3000円の提案に対し、LINEヤフー側は上乗せ価格を示したものの、主要株主の支持が得られないことが交渉の行方を左右する重要な要素になる点を押さえています。
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