日銀は最近の金融市場動向を踏まえ、資産の健全性維持と市場参加者の担保利用の効率性確保に向けて、適格担保の時価算定価格とレポ取引のマージン比率を見直す。改正は2026年11月27日に発効し、国債や社債、電子記録債権、住宅ローン信託受益権、国債レポ取引の条件に及ぶ。
ハイライト
- 日銀は適格担保の価格設定と国債マージン比率を市場環境に合わせ2026年11月27日から見直し・適用する。
- 住宅ローン信託受益権の担保価格算定方法を元本残高と返済元本合計の51%乗算に改定し、多数の債券区分で掛け目も変更される。
- 改正後は市場参加者の担保運用やレポ取引実務に影響が及び、資金調達条件や差し入れ可能額が資産種類・残存期間で変動する見通し。
改正内容と適用時期
日本銀行の公表によると、今回の改正は定例的な見直しの一環として実施され、適格担保の価格設定とマージン比率を足元の市場環境に合わせて調整する。対象は「適格担保の担保価格」と「国債の条件付売買基本要領におけるマージン比率」で、いずれも2026年11月27日から適用される。適格担保では、国債、国庫短期証券、STRIPS、政府保証債、地方債、財投機関債、社債、資産担保証券、不動産投資法人債、外国国債、国際金融機関債など幅広い債券区分で残存期間ごとの担保価格が改められる。あわせて、企業向けや不動産投資法人向け、政府向け、地方公共団体向けの電子記録債権と証書貸付債権についても、残存期間に応じた掛け目が見直される。
このほか、2019年の臨時措置に基づく企業債務・地方公共団体債務の適格担保基準、U.S. Dollar建ての企業向け証書貸付債権に関する臨時ルール、住宅ローン信託受益権の担保価格算定も改正対象となる。住宅ローン信託受益権は、信託財産である住宅ローンの元本残高と返済元本の合計額に51%を乗じて担保価格を算定する形に改められる。
市場運営と担保利用への影響
国債の条件付売買基本要領に関する見直しでは、日銀が買い入れる国債・国庫短期証券のマージン比率が残存期間ごとに調整される。日銀が売却する場合の比率についても見直しが入り、市場への国債供給を目的とする別建てのレポ制度にも同じ比率が適用される。今回の改正は、担保価値の評価を最近の市場変動により即した水準へ調整することで、中央銀行のバランスシート管理と金融市場の実務の両立を図る内容となる。金融機関など市場参加者にとっては、保有資産の種類や残存期間に応じて差し入れ可能額や資金調達条件が変わる可能性があり、担保運用やレポ取引の実務に影響する見通しだ。
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