与野党、選挙SNS規制の法案骨子を5月に策定へ

与野党、選挙SNS規制の法案骨子を5月に策定へ
選挙SNS規制本格化へ

国会内で開いた与野党協議会では、選挙運動を巡るSNS上の偽情報や誹謗中傷への対応を強化する方向で議論が進んでいる。5月中に法案骨子をまとめ、今国会での法改正も視野に入れながら、2027年春の統一地方選までの制度整備を急ぐ。

ハイライト

  • 与野党は選挙時のSNS規制に関する法案骨子を2024年5月中に策定する方針で合意した。
  • 自民党はSNS事業者の偽情報拡散に対する責任明確化や情報流通プラットフォーム対処法の追加義務化を提案している。
  • AI生成画像等の使用時にAI利用表示を義務付ける案が議論される一方、表現の自由やアテンションエコノミーへの対応も課題となっている。

法改正の論点と5月の骨子策定

日本経済新聞によると、与野党は27日の協議で、選挙時のSNS規制に関する法案骨子を5月中に取りまとめる方針で一致した。自民党は、偽情報の拡散などに対するSNS運営事業者の責任を一段と明確にする論点整理案を示している。

自民党の鈴木英敬氏は協議後、2025年4月に施行した情報流通プラットフォーム対処法でSNS事業者に課している義務に、追加項目を設ける案を念頭に置いていると説明した。与野党からはこの方向性への賛同があったという。

同法は誹謗中傷などの投稿への対応を定め、削除申請があった場合にSNS運営事業者へ原則1週間以内の判断と通知を求めている。投稿を削除した場合の免責規定も設けている。

AI表示義務と表現の自由の課題

協議では、選挙運動でAIを使って生成した画像や映像を活用する際、AI使用の表示を義務付ける案にも賛成意見が相次いだ。著名人が特定政党を支持するように見せる偽画像などが拡散した場合、投票行動への影響が大きいとの懸念が背景にある。

誤った投稿や動画が一度SNSで広がると、有権者が誤解したまま投票先を決めるリスクがある。一方で、規制強化では表現の自由との両立が欠かせず、閲覧数や再生数を稼ぐ発信で投稿者が収益を得るアテンションエコノミーへの対応も課題として残る。

中道改革連合の落合貴之政調会長代行は、他国でも同様の規制例があり、日本でも法改正は実現しやすいとの見方を示している。与野党は制度の実効性と権利保護の均衡を探りながら、選挙時のデジタル空間のルール整備を進める。

当社の以前の記事では、生成AIが金融インフラの脆弱性を突くサイバー脅威として現実味を増すなか、金融庁が日銀や取引所、メガバンクと官民作業部会を設けて具体策を検討する動きを取り上げました。あわせて、脆弱性検知能力を持つAIモデルが防御と攻撃の双方に影響し得る点を踏まえ、国内対応だけでなく国際協調によるルール整備が重要になることも整理しています。

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