ニデックTOB巡るインサイダー事件、検察が元証券役員への1.5億円報酬を指摘
ニデックによる牧野フライス製作所へのTOBを巡るインサイダー取引事件で、会社役員の松木悠宣被告の初公判が6月3日に東京地裁で開かれ、被告は起訴内容を認めた。検察側は、未公表情報に基づく株取引で約10億1000万円の売買益が生じ、情報伝達を受けた見返りとして元証券役員に計約1億5000万円が支払われたと主張している。
ハイライト
- 検察は松木被告が未公表TOB情報を基にインサイダー取引を行い、仲本被告へ計約1億5000万円の報酬を支払ったと指摘した。
- 松木被告は2024年9月上旬から12月下旬にかけて、牧野フライス株32万9100株を約23億4980万円で買い付け、約10億1000万円の利益を得たとされる。
- ニデックは2024年12月27日に牧野フライス株1株1万1000円でのTOBを発表し、2025年4月に開始後、同年5月に撤回した。
初公判で示された取引の構図
日本経済新聞によると、検察側は冒頭陳述で、松木被告がTOBの代理人だった三田証券の元取締役投資銀行本部長、仲本司被告からニデックの未公表TOB情報の伝達を受け、無登録の投資運用業で集めた顧客資金などを使ってインサイダー取引をしたと指摘した。仲本被告には報酬として計約1億5000万円を支払ったと主張している。
松木被告は金融商品取引法違反のほか、同法が禁じる相場操縦や無登録投資運用業の罪でも起訴されている。事件では仲本被告らも金商法違反罪で起訴されており、検察側は2019年ごろから仲本被告が業務で知った未公表の重要事実の伝達を受け、株取引をしていたとも述べている。
TOB計画と市場への影響
起訴状によると、松木被告は仲本被告らと共謀し、ニデックによる牧野フライスへのTOB情報を基に、公表前の2024年9月上旬から同12月下旬にかけて牧野フライス株32万9100株を約23億4980万円で買い付けたとされる。検察側は、これらの取引で約10億1000万円の売買益を得たとしている。ニデックは2024年12月27日に、牧野フライス株を1株あたり1万1000円で買い付けると公表した。2025年4月にTOBを開始したが、牧野フライス側の対抗策などを受けて同年5月に撤回しており、一連の買収対応の過程が刑事事件として市場の公正性に改めて問われる形になっている。
当社の以前の記事では、日経平均が高値圏にある局面で「理論株価」をどう算定するかに注目し、将来利益を現在価値に割り引く割引現在価値(DCF)の考え方を整理しました。BPSと割引後EPSを単純合算すると理論株価を過大評価しやすく、相場過熱時ほど評価の精度が重要になる点も指摘しています。
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