日本のSNS相談件数、過去最高更新でデジタル消費者保護が課題に

日本のSNS相談件数、過去最高更新でデジタル消費者保護が課題に
SNS相談、過去最高更新

政府は12日、2026年版の消費者白書を閣議決定し、インターネット通販やSNSを巡る相談の増加に警鐘を鳴らしている。2025年のSNS関連相談は約10万1千件と5年で2倍に増え、サブスクリプション解約トラブルやAI活用下の広告表示が新たな消費者リスクとして浮上している。

ハイライト

  • 2025年に消費生活センターへ寄せられた相談件数は96万9618件、うちSNS関連は10万1045件で過去最高を記録。
  • インターネットサブスクリプション利用者の2割が解約トラブルを経験し、解約ページが見つからない・手続きが複雑との回答が4割超。
  • 消費者白書はAI広告や個人データ活用増大に対し、ダークパターン規制や法整備など多層的な消費者保護強化を提言。

白書が示す相談増加の実態

日本経済新聞が伝えたところによると、2026年版の消費者白書では、2025年に全国の消費生活センターなどへ寄せられた相談96万9618件のうち、3割をインターネット通販関連が占めている。SNSに関する相談は前年から1万3826件増え、10万1045件と過去最高を更新している。

白書は、デジタル取引の拡大に加え、AI技術を使って消費者の関心や属性に応じた広告配信が広がっている点を踏まえ、消費取引のあり方が大きく変化していると分析している。消費者庁が15歳以上の1万人を対象に実施した意識調査では、過去1年間にSNSのチャットで勧誘を受けた人が2割に達し、20代では29.1%と最も高かった。

また、勧誘を受けた人の7割が突然メッセージが届いたと感じ、4割が執拗な勧誘を受けたと答えている。利用者の属性や嗜好に応じた情報表示については4割が利便性を認める一方、半数超が情報の真偽や過剰な個人情報収集に不安を抱いている。

解約トラブルと規制対応の焦点

消費者を意図しない行動に誘導するダークパターンも広がっている。インターネットのサブスクリプション利用者の2割が解約トラブルを経験しており、主な理由として「解約手続きページが見つからなかった、または深い階層にあった」が46.0%、「手続きが複雑だった、または必要以上に多かった」が45.7%を占めた。

AIの利用は約4人に1人に広がる一方、商品やサービスの購入、申し込み支援に使っている人は12%にとどまっている。ただ、広告やウェブサイトの信頼性判定、契約文や注意書きの要点抽出に役立ったとの回答もあり、白書は消費者トラブルの未然防止に向けた活用余地があるとみている。

学習院大の小塚荘一郎教授は、今後は個人データの提供も取引として捉える必要があると指摘している。そのうえで、悪質なダークパターンへの規制に加え、法整備、自主基準の策定、海外事業者への働きかけを含む多層的な対策が求められるとしている。

当サイトの以前の記事では、政府が2040年代までに最大5基の原発建て替えを視野に入れ、将来の電力需要増や脱炭素に備える方針を取り上げました。巨額の初期投資と長期の建設期間を背景に、公的融資や固定費回収の仕組みなど、民間が投資判断しやすい制度設計と国のリスク分担が焦点になると整理しています。

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