日本のシンナー供給、4月出荷3%減でも代替調達で維持

日本のシンナー供給、4月出荷3%減でも代替調達で維持
シンナー供給維持の理由

ナフサ由来原料の調達減少が続くなかでも、日本のシンナー市場では大手塗料各社の代替調達によって国内供給が保たれている。4月は出荷量と生産量が前年同月を下回る一方、原料の純トルエンとキシレンの生産減少幅はそれを大きく上回っている。

ハイライト

  • 4月のシンナー出荷量は前年同月比3%減の3万746トン、生産量も2%減と日本塗料工業会・経済産業省が発表。
  • 日本ペイントホールディングスや関西ペイント、大日本塗料は中国等からの代替調達や輸入増で出荷・生産を確保したが、コスト増が収益を圧迫。
  • 原材料価格高騰により、日本ペイント75%、関西ペイント50%以上、大日本塗料60%の値上げを継続、中小企業では製品による出荷抑制も発生。

4月実績と代替調達の動き

日本塗料工業会の発表によると、4月のシンナー出荷量は前年同月比3%減の3万746トンとなった。経済産業省が同日公表した生産動態統計調査では、4月のシンナー生産量も2%減だった。

一方で、シンナー原料となる純トルエンの4月生産量は前年比43%減の5万9093トン、キシレンは36%減の21万3353トンだった。経済産業省の担当者は、トルエンなど原料の国内生産量のうちシンナー向けは中東情勢以前から減少していないと説明している。トルエンは全体の約2割、キシレンは約1割を占めるが、流通段階の目詰まりによって中小企業を中心に原料が行き届かなかった可能性があるという。トルエンは全体の約2割、キシレンは約1割を占めるが、流通段階の目詰まりによって中小企業を中心に原料が行き届かなかった可能性があるという。

企業ごとの差はあるものの、大手メーカーはおおむね前年並みの出荷を維持している。日本ペイントホールディングスは昨年同等以上の製造と出荷を継続しているとし、原材料供給が逼迫した3〜4月には中国など世界各地のグループ会社から代替調達していた。現在は供給が回復し、国内調達分で賄えているという。

関西ペイントは4月以降の生産量が前年同月比5%増となり、3月中旬から4月中旬に原料調達が2割減少した局面では海外グループの取引先などから不足分を補った。大日本塗料の出荷量も3月以降は前年を上回り、国内調達の不足分を輸入で補った結果、3〜5月は前年比平均で27%増えている。

コスト上昇と中小企業への影響

供給維持の一方で、代替調達に伴うコスト増は収益面の重荷となっている。調達先は供給量が多く輸送期間が短い中国が中心だが、輸送費の上昇に加え、原材料価格は数倍に高騰している。

そのため、日本ペイントは75%、関西ペイントは50%以上、大日本塗料は60%の値上げを継続している。原材料価格の上昇を受けて出荷を制限する企業も出ており、大阪の中小塗料メーカーでは一部製品の原材料価格が4倍になった。価格上昇が顕著な約15%の製品では出荷を抑えており、担当者は価格転嫁の見通しが立たないため仕入れのペースを落としていると説明している。

調達不安が続くなか、買いだめ防止のため前年実績を上回る購入や新規顧客からの注文を制限する動きも広がっている。ただ、3〜4月と比べると足元の原材料調達は改善傾向にあり、6月に入ってからはシンナーを使う現場への供給量も回復しつつあるようだ。

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