フランスで開かれたG7サミットは、中東と欧州で続く戦乱への対応で一定の足並みを示している。イラン情勢やウクライナ支援で協調を打ち出す一方、包括的な首脳宣言を見送っており、自由貿易や気候変動を含む広範な政策課題で結束を保てるかが問われている。
ハイライト
- G7は中東のイラン問題やウクライナ戦争対応で限定的な結束を示し、地域安保連携維持が主な焦点となった。
- イランの核保有阻止やホルムズ海峡航行権確保は今後のU.S.とイラン交渉に左右され、不透明感が残る。
- G7は包括的首脳宣言を見送り、気候変動や自由貿易への対応が不十分となり、石油備蓄支援や海峡安全確保が課題に浮上。
中東、ウクライナ対応で示した限定的な結束
Nikkeiによると、G7は地域情勢や経済安全保障を中心とする個別の成果文書をまとめ、イラン問題では戦闘終結をめざすU.S.とイランの覚書合意を歓迎している。ロシアの侵略が続くウクライナへの支援継続と、ロシアへの圧力強化でも一致している。昨年のG7サミットでは、中東対応で足並みの乱れが目立ち、ウクライナ支援や対ロ追加制裁でも合意に至らなかった。今回はイラン情勢とウクライナ戦争への対処で一定の結束を示しており、分断が意識される国際秩序の下では意味のある前進となっている。
インド太平洋を巡っては、中国を念頭に東シナ海、南シナ海、台湾海峡での一方的な現状変更の試みに反対すると表明している。北朝鮮の完全な非核化への決意も明記しており、日本の安全保障上の関心に沿う内容となっている。
交渉の不確実性とエネルギー安保の課題
もっとも、イランによる核兵器保有の阻止や、ホルムズ海峡を通航料なしで通過する権利の確保は、今後のU.S.とイランの交渉に左右される。両国の溝は大きく、トランプ大統領がイランへの武力威嚇をにじませている点も不透明要因として残っている。ウクライナ和平でも同様に、U.S.の関与のあり方が焦点となる。トランプ大統領はマクロン仏大統領との会談で、中東問題にめどをつけた後にウクライナ和平へ再び力を入れる意向を示しているが、ロシア寄りと受け止められる仲介姿勢への警戒は消えていない。欧州を中心に、ウクライナを置き去りにしない形でU.S.を側面支援する必要がある。
G7は昨年に続いて包括的な首脳宣言を見送っており、気候変動や自由貿易といったグローバル課題は十分に扱えていない。高市早苗首相はエネルギー問題を踏まえ、新興国などの石油備蓄支援の必要性を訴えており、日本としてもホルムズ海峡の安全確保でどのような役割を担うか検討が求められている。
当サイトの以前の記事では、中東情勢の混迷を背景に、日本郵船がホルムズ海峡内に残る関係船舶への対応を続けつつ、迂回航路や陸送などの代替手段で中東向け輸送を維持している点を整理しました。原油調達先の分散や航海距離の長期化による収益機会にも触れる一方、現時点での業績影響は限定的との見方も紹介しています。
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