医薬品の受託開発・製造を一貫して担う体制づくりが進むなか、大日本印刷はキリンホールディングス系の原薬製造会社である協和ファーマケミカルを傘下に取り込む。10月に全株式を取得して完全子会社化し、原薬から包装までを一括で手掛ける医薬品事業の拡大につなげる。
ハイライト
- 大日本印刷は協和発酵バイオから協和ファーマケミカル株式100%を非公表額で取得し、10月の買収を予定。
- 協和ファーマケミカル買収により大日本印刷は原薬製造部門を強化し、包装まで一貫対応のCDMO体制を拡大する。
- キリンHDはアミノ酸事業を中国企業に売却し、今後は健康関連素材とサプリメント領域への投資に注力する方針。
原薬製造の取り込みと買収の枠組み
日本経済新聞によると、大日本印刷は7月15日、キリンHD子会社の協和発酵バイオから協和ファーマケミカルの株式100%を取得すると発表した。買収額は非公表で、独占禁止法に基づく手続きの完了を前提に10月の取得を予定している。
買収後、協和ファーマケミカルは「DNPファーマケミカル」に社名変更する予定だ。協和ファーマケミカルは富山県高岡市に拠点を置き、高難度の有機合成技術や製造設備を持ち、新薬の原薬製造も手掛けている。
DNPは今回の買収により原薬製造部門を強化し、包装までワンストップで対応するCDMO体制を厚くする。医薬品分野で製造受託の対応範囲を広げることで、事業基盤の拡大を狙う。
キリン側の事業再編と市場への意味合い
官報によると、協和ファーマケミカルの2025年12月期の売上高は前の期比1%増の146億円だった。一定の事業規模を持つ原薬メーカーを取得することで、DNPは医薬品関連の収益基盤を補強する形になる。一方、協和発酵バイオは2025年にもアミノ酸事業を中国企業に売却している。今後は記憶力や集中力の向上をうたう「シチコリン」など健康関連素材に経営資源を集中し、キリンHDも売却で得た資金をサプリメントなど健康領域へ投資する方針だ。
当社の以前の記事では、三菱商事が米国の天然ガス開発会社エーソンの買収手続きを完了し、負債を含む総額約1兆2000億円規模で天然ガス権益やガス処理設備、パイプラインなどを一体で取得した点を整理しました。これにより、生産から中流インフラまでを取り込んだ一気通貫の供給網を強化し、北米ガス事業を軸に収益基盤の拡大を狙う構図が示されています。
最新のCompanyニュースニュース
- Forex
- Crypto