金融庁は6月5日、2026年1月1日から3月31日までの「金融サービス利用者相談室」の受け付け状況を公表するとともに、5月下旬から6月初旬にかけての監督・制度改正関連の発表を一覧で示している。公表内容には株式会社クロサイへの行政処分、マネー・ローンダリング対策のガイドライン案、金融商品取引業者向け監督指針の改正案やその意見募集結果が含まれる。
ハイライト
- 金融庁は6月1日付で株式会社クロサイに対する行政処分、5月29日付でマネロン対策ガイドライン案を公表した。
- 5月28日、金融機関と警察庁は特殊詐欺被害金の追跡・凍結・回復を目的とする官民協働型の新枠組み運用を開始。
- サステナビリティ情報保証部会やAI脅威へのサイバーセキュリティ対策など会計・開示・リスク管理領域での監督強化が進展。
監督行政と制度改正の公表内容
金融庁の報道発表資料によると、今回の公表では利用者相談、行政処分、監督指針改正、パブリックコメント結果、審議会開催など、金融行政の複数分野にまたがる動きが並んでいる。6月1日付では株式会社クロサイに対する行政処分が示され、5月29日付では公認会計士及び監査法人におけるマネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融対策に関するガイドライン案が公表されている。
同日には「認可特定保険業者向けの総合的な監督指針」の一部改正案に対するパブリックコメント結果も示された。5月26日には投資法人の計算に関する規則改正案の意見募集公表、参議院財政金融委員会での片山金融担当大臣による破綻金融機関処理に関する報告の概要説明が並ぶ。
5月25日には自己資本比率規制に関するQ&Aの追加公表と、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」改正案に対するパブリックコメント結果が示されている。さらに5月19日には電子決済手段等取引業者に関する内閣府令改正の公布と意見募集結果の公表があり、決済や投資商品分野での制度整備が進んでいる。
詐欺対策や会計分野への波及
5月28日には、金融機関と警察庁が特殊詐欺の被害金の追跡、凍結、回復を目指す官民協働型枠組みの運用を開始している。金融犯罪対策を巡っては、5月1日付で犯罪収益移転防止法施行令に基づく国・地域指定の改正案も公表されており、資金移動と不正対策の監視強化がうかがえる。会計・開示分野では、企業会計審議会の第1回サステナビリティ情報保証部会の議事次第公表と開催、金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループの議事次第公表が続いている。加えて、公認会計士の懲戒処分、個人情報保護ガイドライン改正案の意見募集、AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議の作業部会開催も示され、金融機関の統治、開示、リスク管理の各分野で監督対応が広がっている。
当社の以前の記事では、総務省がAIの普及を踏まえ、統計調査手法と統計データの提供方法を見直すため「統計法等に関する研究会」を立ち上げる動きを取り上げました。調査現場の負担軽減として官民データの活用拡大や調査簡素化を検討するほか、機械学習に適した形式でのデータ提供など、統計法改正も視野に制度面の整理を進める方針でした。
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