三菱電機、2030年度までの成長投資に3兆円 フィジカルAIと防衛・宇宙を強化

三菱電機、2030年度までの成長投資に3兆円 フィジカルAIと防衛・宇宙を強化
3兆円投資・成長戦略

三菱電機は2030年度を最終年度とする5カ年の中期経営計画を打ち出し、フィジカルAIの実装を含む成長分野に3兆円を投じる方針を示した。スマートエナジー、オートメーション、防衛・宇宙を重点領域と位置づけ、収益性向上と株主還元の拡充も同時に進める。

ハイライト

  • 三菱電機は2030年度までにM&Aを含む成長投資枠3兆円を確保し、スマートエナジー・オートメーション・防衛宇宙に重点配分。
  • 調整後営業利益率目標を12%以上、ROE目標を12%とし、連結売上高は5兆8947億円から年平均3〜5%成長を計画。
  • 株主還元枠は1.6兆円と前中計の2.3倍に引き上げ、総還元性向も従来比8ポイント増の60%以上に設定。

重点投資の対象と収益目標

日本経済新聞が報じたところによると、同社はM&Aを含む成長投資枠として計3兆円を確保し、空調機器などを自動制御するスマートエナジー、製造現場の省人化を進めるオートメーション、防衛・宇宙事業を注力分野に据える。電力効率の高いデータセンターや無人工場の実現を進めるほか、防衛分野ではAIを活用した無人機など新領域への参入も目指す。

フィジカルAIの社会実装に向けては、東大発のAIスタートアップである燈とSakana AIに出資した。漆間啓社長は、出資先の技術を早期に自社製品へ組み込み、無人工場を実現したいと述べている。

新中計では、減損損失などを除いた調整後営業利益率で12%以上を目標とし、25年度比で3.5ポイントの改善を見込む。重点3領域では15%を目指し、連結売上高は25年度の5兆8947億円から30年度まで年平均3〜5%の成長を計画する。ROE目標は12%とし、25年度の9.7%から引き上げる。

防衛増産と株主還元の拡大

防衛・宇宙事業は、防衛費増額を背景に堅調に推移しており、同社は新工場棟の建設など増産投資も計画する。成長領域への資源配分を強める一方で、事業基盤の拡充によって中長期の収益機会を広げる構えだ。

株主還元は計1.6兆円とし、前中計期間の2.3倍に増やす。配当と自社株買いを合わせた総還元性向は平均60%以上とし、従来計画から8ポイント引き上げる。

あわせて、三菱電機はローム、東芝とともにパワー半導体事業の経営統合に向けた協議を進めている。同事業を担当する竹見政義常務執行役は、3社で毎週のように協議しており、全速で進めたいと話している。

当社の以前の記事では、日本の企業統治改革が資本効率の改善にとどまらず、持続的な利益成長を引き出せるかが焦点になっている点を整理しました。金融庁によるコーポレートガバナンス・コード改訂の動きなどを背景に、各社には成長戦略の明確化と、投資と株主還元を適切に組み合わせた資本配分がより強く求められていると指摘しています。

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