小田急電鉄、2028年にも運賃引き上げへ、鉄道コスト高に対応
鉄道各社が物価や人件費の上昇への対応を迫られるなか、小田急電鉄は2028年にも運賃引き上げを目指す方針を明らかにした。実現すれば全面的な値上げは1997年12月以来となり、引き上げ幅は今後、国との協議を踏まえて詰める。
ハイライト
- 小田急電鉄は2028年にも運賃引き上げを検討すると発表し、物価や人件費高騰に対応する方針を示した。
- 1997年12月以来となる全面的な運賃値上げの可能性があり、引き上げ幅は国との協議を経て今後決定される。
- 鉄道業界全体で設備投資や労務費上昇を背景に運賃見直しが進んでおり、収益性とサービス維持が経営課題となっている。
値上げ方針の背景と検討時期
日本経済新聞によると、小田急電鉄は5月13日の決算記者会見で、2028年にも運賃引き上げを目指す方針を示した。物価や人件費の高騰に対応するのが狙いで、具体的な引き上げ幅などは今後、国との協議を踏まえて検討する。
同会見で水吉英雄取締役は、工事費の高騰や人件費上昇といった環境変化を踏まえた判断だと説明した。そのうえで、鉄道事業で利益に貢献し、サービスや安全を維持しながら持続可能性を高めるには、運賃改定が必要だとの認識を示した。
鉄道業界への波及と過去改定との違い
小田急電鉄は2005年4月にも運賃を改定しているが、定期券は値上げした一方で定期外運賃は値下げしており、改定率はゼロ%だった。このため、全面的な値上げとなれば1997年12月以来となる。足元では鉄道業界で運賃見直しの動きが広がっている。設備投資や工事費、労務費の上昇が続くなか、都市圏の鉄道会社では安全投資やサービス維持の原資をどう確保するかが経営課題になっている。
以前当社が取り上げた内閣府の4月の景気ウオッチャー調査では、現状判断指数が40.8へ低下し、コスト上昇や先行き不安を背景に慎重姿勢が広がっている状況を整理しました。一方で先行き判断指数は小幅に持ち直し、行楽需要など一部に下げ止まりの兆しも見られました。物価や人件費の上昇が家計・企業心理を冷やすなかで、各業界が必要な原資確保にどう向き合うかが問われています。
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