鴻海、2040年にレベル4以上の自動運転搭載率8割を予測

鴻海、2040年にレベル4以上の自動運転搭載率8割を予測
2040年EV自動運転予測

電気自動車の競争軸が車両性能から自動運転の実装力へ移るとの見方が強まるなか、鴻海のEV事業トップは2040年にレベル4以上の自動運転技術の搭載率が8割に達するとの見通しを示した。EVはハイブリッド車より自動運転との親和性が高く、保険料率や新車需要、車両生産のあり方にも波及する可能性があるという。

ハイライト

  • 鴻海は2040年にレベル4以上の自動運転車の搭載率が8割に達すると予測し、関連コストが約2万ドルから2000〜3000ドルへ下がる見通しを示した。
  • 自動運転の普及により部品損耗や死亡事故が最大20分の1へ減少し、自動車保険料率や新車需要の低下が見込まれる。
  • 鴻海は三菱自動車向け乗用EV供給や三菱ふそうトラック・バスとの2026年後半バス事業会社設立を通じてEV分野での展開を強化する。

自動運転普及の見通しとコスト低下

日本経済新聞によると、台湾の鴻海精密工業でEV事業を担う関潤最高戦略責任者は21日、日本経済新聞社主催の「GDS2026世界デジタルサミット」で講演し、特定条件下で運転手が不要となるレベル4以上の自動運転技術について、2040年には搭載率が8割に達すると指摘した。関氏は「車の究極の姿が全自動運転だ」と述べ、自動運転の普及が自動車産業の構造変化を促すとの認識を示した。

関氏は、既存のハイブリッド車と比べてEVの優位性を支える要素として自動運転を挙げた。ハイブリッド車に自動運転を実装する場合は消費電力の面で不利になりやすく、「自動運転はEVでやった方がはるかに相性がいい」と説明した。

また、自動運転の普及を見極めるうえで重要なのは全自動運転の信頼性だとし、現在最も優れたメーカーでは3万キロメートルの走行で立ち往生が1回にとどまると紹介した。自動運転を担うAIの普及で車載センサーは簡略化し、技術の標準化も進むことで、約2万ドルの関連コストは将来的に2000〜3000ドルまで下がると予想した。

EV市場と自動車産業への波及

関氏は、自動運転車では急発進などが減るため部品の損耗が抑えられ、車両寿命が延びると説明した。死亡事故も現在の10分の1から20分の1程度に減る可能性があるとし、自動車保険の保険料率にも変化が生じるとの見方を示した。

そのうえで、新車需要は減少し、若年層が運転免許を取得する必要性も薄れる可能性があるとした。車両デザインも自動運転向けに収れんしやすくなり、差別化が縮小することで、自動車メーカーが自前で生産を抱える必要性は低下するとの見解を示した。

鴻海は情報通信機器の受託生産を主力とする一方、EV分野へ事業を広げており、日本の自動車メーカーとの協業も進めている。三菱自動車向けに乗用EVを供給するほか、三菱ふそうトラック・バスとは2026年後半にバス事業会社を設立する計画だ。

当社の以前の記事では、日本の自動車メーカーが電動化とデジタル化が進む中で、中国市場で培われた知能化やOTAなどの技術・開発手法を取り込み、競争力を維持する必要性を整理しました。車を「巨大なAI半導体デバイス」として再定義し、サプライヤーと柔軟かつ高速に協働できる体制づくりが、今後の成長の鍵になるという論点も紹介しています。

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