厚生労働省は、保険料負担を抑えるため本来の加入先ではない社会保険に入る「国保逃れ」について、調査の途中結果を公表した。8月末時点で違法性を巡る指導を受けて社会保険から国民健康保険などへ移った人は1万1610人に達し、保険料削減ビジネスへの監視も強めている。
ハイライト
- 厚労省は国保逃れ対策として8月末までに45事業所を調査し、38事業所に指導、1万人超が国保へ是正移行。
- 14日公表の新基準通知で、厚労省は社会保険適用対象を短時間正社員に拡大し、制度利用の抜け道を制限。
- 基準拡大と調査継続により、社会保険料削減ビジネスへの規制がさらに強化され、保険料負担圧縮策の締め付けが加速。
調査結果と新基準の公表
日本経済新聞が報じたところによると、厚労省は14日、この問題を巡る調査の途中結果を明らかにした。日本年金機構が年金事務所を通じて、社会保険料削減ビジネスが疑われる事業所の調査を進めており、8月末までに45事業所を調べた。その結果、38事業所が違法性に関する指導を受け、1万人を超える是正につながった。厚労省は今後も調査を続けるとしている。
厚労省は同日、新たな基準を示す通知も出した。3月の通知では法人役員を主な想定としていたが、今回は勤務時間が短い正社員にも基準を広げた。
勤務時間が極端に短い人が多数を占める事業者の従業員や、個人事業主としての事業活動をそのまま法人従業員の業務としているケースなどは、社会保険の対象にならないと例示した。
保険料削減ビジネスへの影響
国保逃れは、個人事業主らが一般社団法人の理事などに就き、国民健康保険や国民年金より低く抑えた社会保険料を支払うことで負担を軽くする行為を指す。厚労省はこれを違法行為にあたると説明している。こうした仕組みを商品化し、希望者を集める事業者も存在する。加入者は法人に会費を支払い、役員として低額の報酬を受け取ることで社会保険料を抑え、会費と報酬の差額を含めても国保などより支出を低くできる構図だ。
問題は日本維新の会に所属する地方議員をきっかけに表面化した。今回の基準拡大と調査継続によって、保険制度のすき間を利用した負担圧縮策への取り締まりは一段と強まる見通しだ。
最新の法執行ニュース
- Forex
- Crypto