経産省、公的資金の民間経由融資を拡大へ、成長投資向け資金供給を支援

経産省、公的資金の民間経由融資を拡大へ、成長投資向け資金供給を支援
公的資金供給枠拡大へ

日本政府は戦略17分野への大型投資を進めるなかで、民間金融機関を通じた公的資金の供給枠組みの拡大を検討している。設備投資やM&A向けの資金需要が強まる一方、メガバンクや地方銀行の融資余力が低下しており、制度見直しは資金仲介機能の補完を狙う。

ハイライト

  • 経済産業省は、成長投資支援のためツーステップローン拡大と損害担保付きの新融資枠組み導入を27年度中に開始予定。
  • 国内メガバンクや地方銀行の貸出余力低下を受け、財政融資を原資とし銀行の貸出能力強化を図る方針。
  • 政府は官民で2040年度までに戦略17分野へ370兆円超投資計画を示し、円滑な資金供給で重点分野投資加速を目指す。

ツーステップローン拡大の制度設計

日本経済新聞によると、経済産業省は企業の設備投資や買収に対し、公的資金を民間金融機関経由で融資できる仕組みの拡大を検討している。高市早苗政権が掲げる戦略17分野への投資を後押しするため、貸し出し余力が下がっているメガバンクや地方銀行を支援する。

活用するのは、日本政策金融公庫が民間金融機関に資金を供給し、その先で民間企業へ融資する「ツーステップローン」だ。あわせて融資には「損害担保」契約を組み合わせ、返済不能で損害が出た場合には一定割合を国が補償する仕組みを想定している。具体的な保証割合は今後詰める。

この枠組みはこれまでも新型コロナウイルス禍や災害時に使われた例があるが、対象は限定的だった。従来は日本政策投資銀行や商工組合中央金庫(商工中金)の利用がほぼ中心で、今回の検討では対象となる金融機関の裾野を広げる方向となる。

融資原資には、政府が長期、低利で資金を貸し出す財政融資を充てる。将来的な返済を前提とするため、財政負担は比較的小さいとされ、経産省は必要な法改正を経たうえで、27年度中の制度運用開始を目指す。

銀行の融資余力と成長戦略への影響

政府は2040年度までに、戦略17分野を対象として官民で370兆円超を投資する日本成長戦略をまとめている。円滑な資金供給が実現すれば、半導体や水素など重点分野での設備投資や再編案件を金融面から支える効果が見込まれる。

一方で民間金融機関は、設備投資案件やM&Aの増加を背景に融資余力が低下している。公的資金を活用した新たな制度が整えば、銀行の貸出能力を補完しつつ、地域金融機関を含む資金供給体制の強化につながる可能性がある。

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