イオンはタイの食品スーパー事業から退き、東南アジアでの投資配分を成長市場へ移す方針を鮮明にしている。9月30日付で現地子会社を譲渡し、好調なベトナムのショッピングモール事業などに経営資源を振り向ける。
ハイライト
- イオンは8月7日、タイの子会社イオンタイランドの全株式をセントラル・フード・リテールへ売却すると発表し、譲渡は9月30日を予定。
- 売却対象にはマックスバリュなど30店舗の運営事業が含まれ、従業員約1300人の雇用と労働条件は維持される見通し。
- イオンはタイのスーパー事業を撤退し、今後はベトナムやマレーシアなど成長地域へ経営資源を集中、ショッピングモール事業強化を目指す。
タイ子会社売却の枠組み
日本経済新聞が報じた内容によると、イオンは8月7日、タイでスーパーマーケット事業を手がける子会社イオンタイランドの全株式を、現地小売り大手セントラル・グループ傘下のセントラル・フード・リテールに売却すると発表している。売却額は開示しておらず、同日付で株式譲渡契約を結んでいる。譲渡は9月30日付を予定し、対象には「マックスバリュ」や「マックスバリュタンジャイ」など30店舗の運営事業が含まれる。売却後の屋号などの運営方針は未定だが、約1300人の従業員の雇用と労働条件は維持される見通しだ。
セントラル・フード・リテールはタイを中心に、スーパー「トップス」やコンビニエンスストア、高級スーパーなどを展開している。イオンはタイのスーパー事業から撤退する一方、ドラッグストアのツルハ、アミューズメント事業、金融事業は引き続き展開する。
収益力改善と東南アジア再集中
イオンは1984年に現地法人サイアムジャスコ、現イオンタイランドを設立してタイ市場に参入した。ピーク時の2016年には約80店舗を運営していたが、足元では30店舗体制となっている。タイでは内需の二極化が進み、高級店やディスカウント店への需要が強まるなかで、イオンは現地勢との差別化や競争で苦戦している。今回の売却は、資本効率と収益力の改善を進める一環と位置づけられる。
今後は成長領域とするベトナムを中心に、マレーシア、カンボジア、インドネシアなどへ経営資源を集中する方針だ。とくにショッピングモール事業が好調な市場に重点を移すことで、東南アジア事業の収益基盤の立て直しを急ぐ。
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