U.S.の自動車大手が、中国メーカー製車両の流入に対する警戒を一段と強めている。GMやトヨタ自動車が加盟する全米自動車イノベーション協会は、中国車の販売や生産、輸入を禁じる法律の制定を議会に求め、不当廉売と情報セキュリティーの両面からリスクを訴えている。
ハイライト
- 全米自動車イノベーション協会(AAI)は3日、U.S.議会に中国メーカーの自動車の販売・生産・輸入禁止を法律で定めるよう要請した。
- 要請理由は中国政府の補助金で不当に安く大量供給する中国車の参入と、コネクテッドカー経由の情報流出リスクによる安全保障上の懸念が主軸となっている。
- 現行規制の限界を背景に業界大手のGMやトヨタ自動車を含むAAIが立法化を求め、U.S.自動車政策とサプライチェーン確保に影響を及ぼす可能性がある。
議会への要請内容と法制化の狙い
日本経済新聞によると、全米自動車イノベーション協会(AAI)は3日、米議会に宛てた書簡で、中国メーカーによるU.S.国内での自動車販売、生産、輸入を禁じる法律を定めるよう求めている。加盟企業にはGMやトヨタ自動車が含まれ、業界として中国勢の低価格攻勢への懸念を鮮明にしている。AAIのジョン・ボゼーラCEOは書簡で、中国車メーカーが中国政府の補助金を受けて「不当に安く、大量に販売している」と指摘している。さらに、中国車が欧州や東南アジアで不公平な競争条件のもとシェアを拡大しているとして、同様の動きがU.S.市場に及ぶことへの警戒感を示している。
同氏は、U.S.では中国車の市場シェアがまだ大きく広がっていないとしつつも、今年の議会閉会前に中国製の車両、ソフト、ハードの販売禁止を法律として制定するよう強く求めている。現行の規制では対象や拘束力に限界があるとの見方が、法制化要求の背景にある。
コネクテッドカー規制と業界への影響
今回の要請では、価格競争だけでなく、コネクテッドカーを巡る安全保障上の懸念も前面に出ている。近年は大部分の車がインターネットに接続しており、中国製のソフトや部品を使った車両が中国政府による情報収集に使われる可能性があるとAAIは主張している。コネクテッドカーは安全性向上や渋滞緩和に寄与する一方、ハッキングによる利用者情報の漏洩や、充電設備などインフラへの侵入リスクも抱える。関税やインフレでU.S.の新車価格が高騰する中、主力市場をU.S.に持つ自動車大手にとって、安価な中国車の流入は価格面と安全保障面の双方で経営課題になっている。
U.S.ではバイデン前政権下で、中国製の部品やソフトを使ったコネクテッドカーの輸入や販売への規制が導入されているが、法律としての整備には至っていない。今回の業界要請は、既存の行政対応を議会立法に引き上げるよう求める動きとして、自動車政策やサプライチェーン戦略に影響を与える可能性がある。
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