金融庁は、金融商品取引法第2条の定義に関する内閣府令などの改正案に対する意見募集の結果を公表し、関連する改正府令を公布している。今回の見直しは、社債発行企業グループによるデジタル社債の勧誘や、国内ベンチャーファンドの海外連携、預託証券の有価証券該当性の明確化を対象としている。
ハイライト
- 金融庁はデジタル社債の勧誘規制を緩和し、発行企業グループ内での社債勧誘を金融商品取引業の適用除外とする改正を公布。
- 国内ベンチャーファンドが海外ベンチャーファンドに出資する際の投資運用規制を緩和し、外国ファンド特例の要件を見直し。
- デジタル社債関連と海外VF規制改正は令和8年9月16日、預託証券に関する改正は同年10月5日から施行される。
改正内容と施行日程
金融庁の公表によると、金融庁は令和8年7月24日から令和8年8月24日まで改正案を公表して意見を募集し、29件のコメントを受け付けている。寄せられた意見の概要とそれに対する金融庁の考え方を示した別紙1を公表し、あわせて具体的な改正内容を別紙2と別紙3で示している。改正の柱の一つは、社債発行企業のグループ企業によるデジタル社債などの勧誘に関する規制緩和だ。グループとしての効率的な経営の観点から、発行企業の勧誘と同視できる場合には、グループ企業による社債勧誘を金融商品取引業の対象外とする。
また、国内スタートアップの海外進出を促すため、国内ベンチャーファンドが海外ベンチャーファンドに出資する場合の投資運用規制も緩和する。海外VFに関する投資運用規制の適用除外である外国ファンド特例の要件を見直す。
このほか、券面が発行されない預託証券について、そこに表示されるべき権利が有価証券に当たることを明確にする。有価証券届出書の様式に関する記載上の注意についても、必要な規定を整備している。
資本市場とスタートアップ支援への影響
施行日は内容ごとに分かれており、デジタル社債の勧誘規制緩和と海外VF連携に関する見直しは令和8年9月16日から、預託証券に関する改正は同年10月5日から施行される。金融庁は制度面の見直しを通じて、企業グループの資金調達実務とベンチャー投資の機動性を高める方向を打ち出している。今回の改正は、社債発行やスタートアップ投資に関わる市場参加者にとって、実務上の手続きや規制適用の整理につながる可能性がある。とりわけ、国内資金が海外ベンチャーファンドとの連携を通じて成長企業支援に向かいやすくなるかが注目点となる。
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