自動車の開発競争が新興メーカーの台頭で一段と激しくなるなか、SUBARUは次世代車の開発体制を見直し、投入までの期間を4割短縮する方針を示している。デジタル設計や検証の比重を高めることで試作工程を効率化し、捻出した時間を実車での性能と品質の磨き込みに振り向ける。
ハイライト
- SUBARUはデジタル開発手法を導入し、次世代EVの技術検証車で開発期間を従来の2年から1年に半減。
- 次世代車で共通部品率を50%に引き上げ、サプライチェーン総工程数と電気・電子部品の原価を50%削減へ。
- EVでは軽量電池パックや小型eアクスル採用、ADAS用半導体をAMDと共同開発し、アイサイトの自動運転機能も強化。
開発手法の刷新と技術戦略
日経が報じたところによると、SUBARUは18日、次世代車に採用する開発手法のほか、プラットホームやパワートレーン関連の技術を報道陣に公開した。従来は試作、設計、開発車の確認、量産準備を順番に進めていたが、今後は複数工程を並行して進めることで全体の期間を圧縮する。自社開発する次世代EVの技術検証車では、デジタル中心の開発によって従来2年かかっていた工程を1年に短縮している。デジタル上で設計を作り込み、従来の約半分の期間で従来開発と同等の完成度に到達したとしている。
同社は現在、トヨタ自動車との協業で4車種のEVを発表している一方、2028年以降には自社開発のEVを投入する予定だ。渡森孝有執行役員は、中国勢やTeslaなどの新興勢から学ぶ点があるとしたうえで、今後は柔軟性を徹底的に磨く考えを示している。
部品共通化と車両性能への波及
開発組織では、設計や生産の部門に加え取引先も同じ情報を共有する「大部屋開発」を取り入れる。工程ごとに担当を引き継ぐ従来の分業を減らし、問題発生時にその場で対応できる体制に改める。次世代の商品群では車種ごとの共通部品を増やし、開発と生産の効率を高める。車種間の部品共用率を50%とし、サプライチェーン全体の総工程数を50%削減するほか、電気・電子部品の原価も50%削減する目標を掲げる。
車両技術では、ガソリン車やHV向けに現行のスバルグローバルプラットフォームを進化させ、車両重量を従来設計比で100キログラム軽くすることを目指す。EVでは軽量かつ薄型の電池パックや小型のeアクスルを開発し、低重心化と車内空間の拡大につなげる。
このほか、水平対向エンジンでは過給技術や燃焼技術を生かして将来的に熱効率50%を目指し、エンジンの種類は半減して次世代エンジンに資源を集中する。先進運転支援システムのアイサイトも進化させ、高速道路で全車速域のハンズオフ運転支援や自動追い越し支援機能を開発するほか、制御用半導体はU.S.のAMDと共同開発し、OTAによるソフト更新にも対応する。
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