日本製鉄は欧州での脱炭素対応を進める一環として、スロバキアの製鉄拠点に電炉を新設する。投資額は9億ユーロで、このうち3.5億ユーロはスロバキア政府の補助金を充て、2030年の稼働を見込む。
ハイライト
- 日本製鉄はスロバキアの製鉄所に9億ユーロを投じ年産160万トンの電炉を新設、2030年稼働予定。
- スロバキア政府から3.5億ユーロの補助金を活用し、既存高炉の休止とグリーン鉄供給拡大を目指す。
- 日本製鉄は2025年U.S. Steelを買収、10月1日から現地法人をNippon Steel Slovakia(NSSK)として完全子会社化。
電炉投資の計画と稼働時期
日本経済新聞が伝えたところによると、日本製鉄は16日、グループ傘下のUSスチールが保有するスロバキアの製鉄所に電炉を新設すると発表した。新設する設備には、年産160万トンの電炉に加え、不純物除去に使う酸素を製造する酸素プラントも含む。投資総額は9億ユーロで、スロバキア政府の補助金3.5億ユーロを活用する。同拠点には高炉3基があり、このうち1基はすでに休止中で、総生産能力は450万トンとなっている。
新設する電炉の稼働は2030年を予定する。会社は電炉の立ち上げに合わせ、既存高炉の休止も検討していくとみられる。
欧州市場向け低炭素鋼の供給強化
鉄鋼業ではCO2排出削減が重要課題となっており、高炉から電炉への転換は脱炭素戦略の中核に位置づけられている。スロバキア拠点では自動車向け鋼板の生産が中心で、日本製鉄は新設備を通じて環境負荷の低いグリーン鉄の供給拡大を狙う。グリーン鉄は、製鉄プロセスの改良によって実際に達成したCO2削減分を割り当て、低炭素で生産したとみなす鉄鋼製品を指す。欧州では自動車産業を中心に低炭素素材への需要が強まっており、今回の投資は現地供給体制の強化につながる。
日本製鉄は2025年にU.S. Steelを買収し、同社のスロバキア拠点も傘下に収めた。製鉄所の運営会社は10月1日付で日本製鉄の完全子会社となり、今後は「Nippon Steel Slovakia」(NSSK)として運営していく。
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